NFJ D802とRaspberry Pi用アナログ電源の制作

デジタルアンプ 「NFJ FX-AUDIO- D802」と、RuneAudioを入れた「Raspberry Pi 2」用に、

アナログ電源を制作した際の記録です。

(※現在、文字ベースの記事ですが、画像も少しづつ追加更新していく予定です。)

 

 

制作のキッカケ(師匠との出会い)

電子工作に興味はあるのですが、全くの初心者の自分。

自分の身の回りや友人には、電子工作を教えてくれる人、興味がある人はいませんでした。

 

どうすれば始められるんだーー、、と本気で悩んでいました。

 

そんな2015年の暮れ、

アナログ電源を制作するキッカケを与えてくれたのは、ヤフオクでお取引した際の出品者のS氏

偶然のご縁によって、S氏(以後:師匠)のご指導があったからにほかなりません。

 

まだ、わからない事ばかりですが、電子工作の第一歩を踏み出す事が出来ました。

 

この場を借りてお礼を申し上げます。

まだまだ、インターネットって不思議でいっぱいです。本当に素敵です。

 

制作の目的

スイッチング方式を、あえてアナログ方式に変更するのは、もちろん音質アップ狙いが目的です。

 

アナログ電源とスイッチング電源による音質の違いは、こちらの記事をご参照下さい。

 

オーディオ機器の仕様

Raspberry Pi 2 Model B

  • 用途:ミュージックサーバー
  • システム : RuneAudio
  • GPIO拡張:hifiberry Digi+ (ノイズフィルターにOSコンデンサー追加)
  • 音声出力:同軸接続
  • 必要電力:5V 1A以上

 

North Flat Japan D802

  • 用途:フルデジタルアンプ
  • 必要電力:12V30V 1A以上

 

音楽再生環境

  • スピーカー:John Blue JB3
  • SPケーブル:ウェスタンエレクトリック WE 24GA (非メッキ)
  • 同軸ケーブル:VICTOR HIFI VIDEO 75Ω
  • スピーカー配置:机上に設置、距離は半径約0.5m。

 

トランス選定についての師匠のアドバイス

交流と直流の関係(基礎知識)

交流はサインカーブでプラスからマイナスまで電圧が変化し、その絶対値の平均値(実効値)を一般的に電圧としています。

 

家庭電源AC100Vは、実際はマイナスの141Vからプラスの141Vまで1秒間に60回(60Hz)/50回(50Hz)変化してるので、

トランスの10Vの端子では(正確には0Vの端子との間で)+14.1Vから-14.1Vの範囲で電圧が変動している事になります。

 

これに整流ダイオードをつなぐと、その向きによってプラスまたはマイナスの電圧だけを取り出すことが出来、絶対値としては0Vから14.1Vまで電圧が変動します。

 

つまり、最大値として交流電圧のルート2倍(×1.41)の電圧が取り出されることになります。

(電圧は変動しているものの、平滑されることから電解コンデンサーでの電圧は最大値になる)

 

なお、整流ダイオードは順方向(電流が流れる方向)では、特性により0.5V前後の電圧の低下がある事も考慮して電源を設計する必要があります。

 

Raspberry Pi 2用のトランスについて

トランスの仕様が1Aであれば直流として連続的に取り出せる電流はそのルート2分の1、70%位になります。

 

しかしながら経験上、1AのトランスではRaspberry Piがうまく立ち上がらなかった為、最低2Aのトランスを選定する必要があると思います。

 

ノグチトランスのPM082(8V2A)を選定した場合、6V端子を使うと、6*1.41-1=7.46Vの電圧で1.42A程度の電流を取り出せるでしょう。

 

もし、USBからの電源供給とした場合、供給電圧の容量範囲があるので、定電圧回路(安定化電源)が必須になってきます。

 

NFJ D802用のトランスについて

比較的SPの近くで聴く音量では3W最大でも5Wくらいでしょうか。余裕を見て10Wあれば充分だと思います。

 

デジタルアンプは効率が非常に良く、電源の90%以上を音声出力に変換できます。

最大片チャンネル10Wの両チャンネルで20W、電源電圧12Vだと流れる電流は1.7A(20/12)なので、

3A以上のトランス容量を選定するのが良さそうですね。

 

さらにパワーを求めるのであれば、

その上の5A容量トランスの12V端子を使って15Vの電圧で3.5Aを得る選択も有りでしょう。

この場合は片チャンネル25W位となる計算なので、実際のところ、机上SPではそこまでは必要ないのではないでしょうか。

 

ノグチトランスのPM123(12V3A)を選定した場合、

10V端子を使うと、10*1.41-1=12~13Vの電圧で2A程度の電流を取り出せるでしょう。

 

D802の場合は電源電圧はある程度アバウトで良いようなので、トランスの10Vで取り出した

交流を整流ダイオードで直流にし、大容量の電解コンデンサーで平滑するだけで良いでしょうね。

よって、定電圧回路は不要となります。

 

制作メモ

使用選定したパーツ

総額6,800円。持っている部品を流用できれば、不要なものもあります。

部品名 型番 / 仕様 価格 数量 備考
電源トランス PM123 / 12V3A 2,450円 1 D802用
電源トランス PM082 / 8V2A 1,640円 1 ラズパイ用
出力可変安定化電源キット K-00095 / 3A 450円 1 5V用として
放熱器 P-05049 50円 1 安定化電源キット3端子レギュレータ放熱用
OSコンデンサー P-08300 / 47μF 16V 50円 2 安定化電源キット付属の小型電解コンデンサーと交換
ダイオードブリッジ I-04651 / 60V15A 180円 2 ショットキーバリア
ヒューズホルダー P-09629 / 中継用 45円 1
ヒューズ P-07135 / 250V1A 30円 1
基板取付用USBコネクター C-07674 / Aタイプ メス 50円 1 5V電源供給用
汎用基板 P-08241 / 2.54mmピッチ 30円 1 USBコネクター取付用
配線材 P-06755 / AWG22 550円 1
トグルスイッチ P-00224 / 2回路2接点(ON-ON) 90円 1 接点容量125V 6A/250V 3A ON-OFFスイッチ用
ゴム足 P-07585 100円 1
発光ダイオード I-06246 / 抵抗内蔵5V 120円 1
ACインレット C-08334 / メガネ型  35円 1
小ねじ P-07325 / M3×5 100本  300円 1
小ねじ M3×10
スペーサー P-07604 / 六角 MB3-10 30円 4
スペーサー P-07604 / 六角 41mm 40円 2
六角ナット M3
ケース 200円 1 プラスチック積重ねボックス(ボックス+蓋)
大容量コンデンサー 日本ケミコン 39000μF 25V 1 師匠からの提供品

 

制作に必要な工具など

持っていた方が良いもの、ないと作業できない工具等は事前に準備が必要です。

工具名 購入先 備考
はんだゴテ 白光 半田ゴテ レッド 60W No.503 20Wだと鉛フリーはなかなか溶けない
はんだコテ台 白光(HAKKO) こて台 633-01  はんだ作業が捗る
はんだ goot 両面プリント基板用はんだ SD-61 60Wのコテなら鉛フリーでも良い
はんだ吸取線 goot はんだ吸取り線 CP-3015 吸いとり機でも良い
皮むき工具 フジ矢 オートマルチストリッパ PP707A-200
小型クリップ付きコード 小型クリップ付コード 5色 45cm 5本入 テスターと併用しやすい
デジタルテスター 小型デジタルテスター DT-830B 電子工作でテスターは必須
USB電圧電流チェッカー CHARGER Doctor USB接続
テーパーリーマー エンジニア テーパーリーマー TR-01
電動ドリル 高儀 EARTH MAN 6V乾電池式ミニドライバー DDR-140CL  予算があればコンセント式が良い
ラジオペンチ 100均のもので良いかも

 

回路図(Yosuke作成)

Download (PDF, 76KB)

 

制作上の注意点(師匠のアドバイス)

ハンダ付け

半田は60%のスズが入ったフラックス入りの糸半田が使いやすいです。

鉛フリー半田は融点が高いのでオススメしません。

 

鏝は時々ぬれ雑巾で鏝先を拭いて綺麗にしてください。

液状のフラックスを使うと半田の乗りが良くなります。

 

トランスの使用端子は予め半田メッキをしておくと半田付けが容易です。

ヒューズホルダーも同様。

 

トランスへの半田付けがうまく行かない場合は、

熱容量不足なのでワット数の大きいコテ(60W)を使ってください。

 

トランスの100V端子で2本の線がつながる部分(もう一つのトランスへの分岐側)では

予め2本の線をより合わせて仮半田をしてから取付けます。

 

ダイオード、コンデンサー

極性(プラスマイナス)があるもの電解コンデンサー整流ダイオードです。

小さいコンデンサー(セラミックコンデンサー)は極性はありません

 

極性があるものは基板のシルク印刷の表示に合わせて取付けて下さい。

 

OSコンデンサーは性能が良いので、定電圧電源キットに付属している

2個の黒い小型電解コンデンサーの代わりに取り付けます。

 

OSコンデンサーやLEDは足の長い方がプラスです。

 

ダイオードブリッジの極性は絶対に間違えないで下さい。

回路全体へのダメージが大きいです。

 

大容量電解コンデンサーをショートさせたり、感電すると

大きな事故につながりますので、慎重に作業して下さい。

 

定電圧安定化電源キット

足が3本あるIC(3端子レギュレータ)はフラットな面を放熱器に3mmのネジで取付けて下さい。

印刷がある面を内側にして基板に取り付けます。

 

逆につけると壊れます。放熱器の足が邪魔な場合はニッパーなどで切除して下さい。

放熱器取付けの際、絶縁シートなどは不要です。

仕様的には不要ですが、念のため放熱器をつけておきます。

 

抵抗の値はカラーコード表示で分かりにくいので、

予めテスターで抵抗値を確認して選んでおくと良いです。(使用は200Ωのみ)

 

定電圧キットでは取付ける抵抗値によって出力電圧の範囲を選定できますが、

今回は5Vなので0Ω(線でショート)です。

comの穴と、4本の抵抗の内、一番左の上側の穴とを、

取付け部品から切り落とした線材などで連結して下さい。

 

同じく出力部分にはいくつかの穴が開いていますので、ここに線材を差し込んで半田付けをして、

そこから小型クリップを介してテスターのリードに繋げると、

両手フリーで電圧調整用の小型ボリュームを回すことができます。5Vになるように調整して下さい。

 

もしも調整が効かない場合は、上記のショートの配線または、

その先の部分でミスや半田不良があるはずなので確認して下さい。

 

USBコネクタ

USBソケットは両端がプラスとアースです。どちらがプラスかについては、WEBで確認して下さい。

 

LED

LEDは極性を確認しておき、キットで使わなかった750オームの抵抗を片側の足に仮付けし、

5Vに繋いで明るさを確認して下さい。

 

明るすぎる場合は1.5KΩに交換し、暗すぎる場合は1.5KΩを750オームと並列にしてみて下さい。